ごあいさつ

Story

小さい頃から美しいものことが好きでした。洋服・料理・食器・絵画・音楽・建物・・・何でも、キレイな色や形、いい香り、美しい音・・「うわーキレイ!」と、心がうっとりしていました。今も同じです。

ところが、好きなことなのに、何故か、仕事にしようとは全く考えもしませんでした。大学では栄養学を勉強したくらいですから。しかし、当時は、冬はしもやけで(今はよくなりました)・・、料理の仕事も栄養士の仕事もせず、 小さい頃から習っていたピアノを教えたり、情報処理の勉強したり・・そんな毎日でした。

きっかけは、30年くらい前のある日、 あてもなく書店に入って何げなく手に取った一冊の雑誌でした。「室内」という、建築インテリア関係の月刊誌です。この日から新たな私の人生が始まりました。偶然というか、ホントに不思議な出来事でした。

それまでは、インテリアというと只々壁紙を選んで貼ったり、家具や小物を配置して飾るもの(表面的)だと勝手に思い込んでいましたが、読んでいくうちに「構築的で何ておもしろい!」と。
俄然インテリアデザインに興味が湧いてきました。 そして、インテリアコーディネーターという資格試験があることを知り受験しました。

資格を取っただけで、仕事もなく時間は沢山ありましたので、 インテリア産業協会主催の 「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」に応募しました。 プレゼンテーションボードをつくるのがとても楽しかったことを覚えています。 ところが? 提案ボードが奨励賞(通産省)をいただいてしまいました。

この日から、現在の仕事である「建築インテリアデザイン」の世界に足を踏み入れることになりました。

振り返って想うのは、結局、子供の頃から好きだったことを仕事にしているんだなーと、改めて納得したような、驚いたような・・・不思議です。

受賞をきっかけに非常勤講師の仕事も入ってきました。忘れられない講座があります。
ある公的機関のインテリアコーディネーター講座、数回シリーズ、 資格を取って間もない頃でしたので、張り切って講座の準備をしました。 しかし、回を重ねる毎に少しずつ出席者が減ってきました。「あっ、内容をもっと充実させなければ!」益々、講座の内容を濃くしていきました。

何故そうなったのか、どうすればよかったのか、今ならよく分かります。しかし、当時の私はまだまだ経験不足で心の余裕もなく・・、結局、内容の詰め込み過ぎだったのです。生徒さんに知識を沢山得てもらいたい!という一心で、空回りしてしまっていたのです。よい経験でした。
相手の立場になって講義することの大切さ、教えることの難しさを痛感しました。

あれから30年、今でも各種学校等で非常勤講師の仕事をさせていただいています。お蔭さまで、生徒さんの数が減ることもなくなりました。多少、心に余裕を持てるようになりました。

そして、また面白いことに、今、料理の仕事もしています。料理教室やクッキングセミナー等です。
「しもやけ」であんなに避けていた環境なのに・・、これも不思議です。

よく考えてみると、頼まれたこと、出来ることをやっていたら、今のような仕事形態になってしまったようです。 そして分かったことは、結局、「私は人が好きだ」ということでした。 そうであれば、これからももっともっと「皆様」とつながって、私で役に立つこと、私でお手伝いできることをさせていただきたいなぁ、と思っています。

「美術館・博物館」「神社・寺院」「コンサート・リサイタル」に出かけることが大好きです。美しいものことが好きだった小さい頃と同じです。 忙しくても、スケジュールとにらめっこで、新幹線に乗り込みます。 ゆくゆくはウィーンに行って「ニューイヤーコンサート!」手拍子でラデッキーマーチを楽しみたい!夢はどんどん膨らみます。

永井 晶子